科目B 情報セキュリティの解き方
飛岡拓希公開
科目B のセキュリティの問題は、知識より読み方で差がつきます。設問を先に読んで、本文から探すものを決めます。選択肢は「正しいことを言っているか」ではなく、「本文の状況に合っているか」で選びます。
設問を先に読む
セキュリティの問題は、会社の状況を説明する長い本文と、短い設問でできています。 本文から読むと、どこが大事か分からないまま全部を覚えようとしてしまいます。先に設問を読み、何を答えるのかを決めてから本文に入ります。
| 設問が聞いていること | 本文で探すもの |
|---|---|
| 原因は何か | いつ・誰が・何をしたか。普段と違う出来事 |
| まず何をすべきか | 被害が今も広がっているか。止めるべきものは何か |
| どの対策が有効か | 原因になった手順や設定。その対策で、その原因が防げるか |
| 許される操作はどれか | 役割と権限の表。誰がどの役割か |
探すものが決まると、本文の中で関係の無い段落(会社の紹介や、設問に関わらないシステムの説明)を軽く読み流せます。 読む量が多いぶん、ここで時間が浮きます。
「一般論として正しい」選択肢に引っかからない
セキュリティの選択肢は、どれも単独で読むと正しいことが多いです。 たとえば、次のような状況で「まず行うべきこと」を聞かれたとします(記事のために作った例です)。
社員 A が、取引先を装ったメールのリンクを開き、 社内システムの ID とパスワードを入力してしまった。 入力から30分たったが、A のアカウントで不審な操作はまだ見つかっていない。
- ・全社員に、不審なメールの見分け方の研修を行う
- ・メールのフィルタを強化し、似たメールが届かないようにする
- ・A のパスワードを変更し、A のアカウントのログイン状態を無効にする
- ・多要素認証を全社で導入する
4つとも、セキュリティの対策としては正しいことを言っています。 それでも「まず」行うべきなのは、A のパスワードを変更するものです。 パスワードが相手の手に渡っている今、ほかの3つは、今まさに起こりうる不正なログインを止めません。
選ぶときは、「この選択肢は、本文のこの状況の、この問題を解決するか」を1つずつ確かめます。 設問の「まず」「最も有効な」「再発を防ぐために」といった言葉で、求められているものが変わります。 同じ選択肢が、「まず」なら外れで、「再発を防ぐ」なら正解になることもあります。
ログは時刻順に並べ、同じ値に印を付ける
アクセスログや操作の記録が表で出てくる問題では、表を上から読むのではなく、次の順に見ます。
- 1. 表の列(時刻・利用者・接続元・結果など)が何を表すかを確かめる
- 2. 時刻順に並んでいるかを確かめる。並んでいなければ、時刻に番号を振り直す
- 3. 同じ値が何度も出てくる列に印を付ける。同じ接続元、同じ利用者、短い間隔、失敗の連続、などが手がかりになる
- 4. 本文の「いつ気づいたか」「いつ何をしたか」と、ログの時刻を突き合わせる
ログの問題は、手がかりの多くが行どうしの関係(同じ接続元から別々の利用者へ、など)にあります。 1行ずつ読んでも気づけないので、印を付けて縦に眺めます。
公開鍵と秘密鍵は、「誰が開けられるか」で考える
暗号と電子署名の問題は、どの鍵を使うかを丸暗記するより、その鍵を持っているのは誰かから考えると迷いません。 公開鍵は誰でも手に入り、秘密鍵は持ち主しか持っていません。
- ・暗号化は、受け取る人だけに読ませたい。受け取る人しか持っていないのは、受け取る人の秘密鍵。 だから、受け取る人の公開鍵で暗号化し、受け取る人が自分の秘密鍵で開ける
- ・電子署名は、送った人本人が作ったと示したい。送った人しか持っていないのは、送った人の秘密鍵。 だから、送る人の秘密鍵で署名し、受け取った人は送った人の公開鍵で確かめる
問題では、鍵に「K 社の公開鍵」「T 氏の秘密鍵」のような名前が付きます。本文の登場人物ごとに、持っている鍵を書き出してから選択肢を読むと、取り違えません。
情報セキュリティの問題:
- アクセスログからパスワードリスト攻撃を見抜く(難易度 4・登録なしで解けます)
- ロールベースアクセス制御(RBAC)で許される操作を選ぶ(難易度 3・登録なしで解けます)
- ランサムウェア感染時に最初にとるべき行動を選ぶ(難易度 3・登録なしで解けます)
- 公開鍵暗号と電子署名で使う鍵を選ぶ(難易度 2・登録なしで解けます)
時間配分と、ほかの記事
セキュリティの問題は、アルゴリズムの問題より読む量が多く、1問に同じ時間を当てると足りなくなりがちです。 分量を数えた結果と配分の考え方は、別の記事に書いています。
解いたあとに解説を読む
このサイト(極とれ)の問題は、解いたあとにトレースの手順と、 選択肢ごとに「なぜ違うか」が開きます。登録なしで解けます。
情報セキュリティの練習問題を見るこの記事について
書いているのは飛岡拓希です。基本情報技術者試験の科目B だけを扱う学習サービス「極とれ」を 1人で作って運営しています。試験には高校3年生のときに合格しました(そのときの記録)。
数字を載せるときは、出典の資料を自分で開いて数えた値だけを使い、いつ時点のものかを本文に書いています。 誤りに気づいたら goku.tore9@gmail.com までお知らせください。読んだ感想はフォームからも送れます。