問題 #16 ・ 情報セキュリティ ・ 難易度 3
次の記述を読んで、設問に答えよ。 ある企業のシステム管理部門では、社内PCのマルウェア対策として次の運用ルールを定めている。 〔運用ルール〕 (1) すべての社内PCにウイルス対策ソフトを導入し、パターンファイル(定義ファイル)は毎日自動更新する。 (2) OSやアプリケーションのセキュリティ更新プログラムは、検証後速やかに適用する。 (3) 外部から受け取ったファイルは、開く前にウイルス対策ソフトでスキャンする。 (4) 不審なメールの添付ファイルやリンクは開かない。 (5) マルウェア感染が疑われる場合は、直ちにネットワークケーブルを抜く、または無線LANを無効にして、システム管理部門に連絡する。 ある日、営業部の社員Aは、取引先を装ったメールに添付されていたファイルを誤って開いてしまった。すると、PC上のファイルが次々と暗号化され、画面に「ファイルを復号するには指定の暗号資産を支払え」というメッセージが表示された。社員Aは慌ててシステム管理部門に電話で連絡した。 システム管理部門の担当者Bは、社員Aに対して最初に指示すべき行動として〔 a 〕を伝えた。また、担当者Bは組織としての対応方針を上司に報告する際、攻撃者への対応として〔 b 〕と説明した。 〔 a 〕と〔 b 〕に入れる字句の適切な組合せを、解答群の中から選べ。 〔 a 〕に入れる字句の候補: (i) 直ちにPCのネットワーク接続を切断すること (ii) 直ちにPCの電源を切ること (iii) ウイルス対策ソフトのフルスキャンを実行すること 〔 b 〕に入れる字句の候補: (iv) 被害を最小限に抑えるため、要求された暗号資産を速やかに支払ってファイルを復号する (v) 支払いに応じず、事前に取得していたバックアップからデータを復旧する方針とする
この問題はランサムウェア感染時の初動対応と組織としての対応方針を問うものである。 【空欄aについて】 ランサムウェアに感染した場合、最優先すべきは被害の拡大防止である。ネットワークに接続したままにすると、同一ネットワーク上の他のPCやファイルサーバに感染が広がるおそれがある。また、外部の攻撃者との通信(C&Cサーバとの通信)を遮断する意味でも、直ちにネットワーク接続を切断する(i)が正しい。 電源を切ること(ii)は、メモリ上に残るマルウェアの痕跡や暗号鍵などの情報を消失させ、フォレンジック調査を困難にするため不適切である。また、運用ルール(5)にもネットワーク切断が明記されている。 フルスキャン(iii)は、ネットワーク切断後に行うべき作業であり、ネットワーク接続を維持したまま実施すると感染拡大のリスクがある。 【空欄bについて】 攻撃者の要求に応じて暗号資産を支払うこと(iv)は推奨されない。理由は以下のとおりである。 ・支払ってもファイルが復号される保証がない。 ・攻撃者の活動資金となり、さらなる攻撃を誘発する。 ・一度支払うと再び標的にされるおそれがある。 適切な対応は、支払いに応じず、事前に取得していたバックアップからデータを復旧すること(v)である。日頃からバックアップを適切に取得・管理しておくことがランサムウェア対策の基本となる。 したがって、a = (i)、b = (v) の組合せであるイが正解である。
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