問題 #10 ・ 情報セキュリティ ・ 難易度 4
ある企業のWebアプリケーションにおいて、利用者から「身に覚えのない操作履歴がある」との問合せが複数寄せられた。セキュリティチームが認証サーバとWebサーバのアクセスログを調査したところ、次の事実が判明した。 【調査結果】 (1) 過去48時間に、ログインページへのPOSTリクエストが通常の約20倍に増加していた。 (2) リクエストの送信元IPアドレスは数百種類に分散しており、1つのIPアドレスあたりのリクエスト数は3〜5件程度であった。 (3) 各リクエストで使用されたユーザIDとパスワードの組合せは全て異なっていた。同一ユーザIDに対して複数のパスワードが試行された形跡はなかった。 (4) ログイン試行の成功率は約2%であり、成功した直後に利用者の個人情報閲覧ページへのアクセスが集中していた。 (5) ログインに成功したアカウントのパスワードは、いずれも他のWebサービスでも使い回されている可能性が高い簡易なものであった。 この調査結果から推定される攻撃手法を〔 a 〕、セキュリティチームが直ちに実施すべき対応として最も適切なものを〔 b 〕とするとき、aとbの適切な組合せはどれか。 aに関する選択肢: (i) ブルートフォース攻撃 (ii) パスワードリスト攻撃 (iii) リバースブルートフォース攻撃 bに関する選択肢: (P) 送信元として検出された全てのIPアドレスをファイアウォールで遮断し、経過を観察する (Q) 不正ログインが成功したアカウントのパスワードを強制リセットし、当該利用者に個別通知するとともに、多要素認証の導入を検討する (R) Webサーバを直ちに停止し、全利用者のアカウントを無効化する
【攻撃手法の特定(空欄a)】 パスワードリスト攻撃(クレデンシャルスタッフィング)とは、他のWebサービスから流出したユーザIDとパスワードの組合せリストを使って不正ログインを試みる攻撃である。 調査結果から次のように判断できる。 ・(3)より、各リクエストのユーザIDとパスワードの組は全て異なり、同一ユーザIDへの複数パスワード試行がない。これはブルートフォース攻撃(1つのIDに多数のパスワードを試す)の特徴と合わない。 ・(3)より、パスワードが固定されていないため、リバースブルートフォース攻撃(1つのパスワードを多数のIDに試す)とも合わない。 ・(5)より、成功したアカウントのパスワードが他サービスで使い回されている可能性が高い。これは流出した認証情報リストの利用を示唆する。 ・(2)より、送信元IPが分散しているのはボットネットやプロキシの利用を示し、パスワードリスト攻撃でよく見られる手口である。 よって、攻撃手法はパスワードリスト攻撃(ii)である。 【対応の選択(空欄b)】 ・(P)のIP遮断は、攻撃者がIPアドレスを容易に変更できるため根本的な対策にならず、既に被害を受けたアカウントの保護にもならない。 ・(Q)の被害アカウントのパスワード強制リセットと利用者通知は、被害拡大を直ちに食い止められる。さらに多要素認証の導入検討は再発防止として適切である。 ・(R)のサーバ停止・全アカウント無効化は、被害が約2%のアカウントに限定される状況では過剰であり、業務継続性を不必要に損なう。 よって、対応は(Q)が最も適切であり、正解はエ(a = (ii)、b = (Q))である。
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